明智左馬之助

日曜日にコンクールなので、
そろそろ頭を切り替えて切り替えて

アフガニスタン史から
日本の戦国時代へ、と。

曲の初め、
琵琶だと「謡い出し」というのですが、
物語が始まるところ、
何をイメージするか。

謡い出しが終わると
安土城から坂本城へ向かう合戦へと
本題になるので、そこは合戦描写なのですが、

謡い出しは、流麗な句と、主君への想いが語られるので、
そこをどんな情景をイメージするかで、割と曲想が変わる。

本能寺の変の計画を聞かされたときに、止められなかった後悔、
山﨑合戦で敗走した光秀の無事を祈る気持ち
坂本城に残っている家族、
率いている300名弱の武将をどれだけ坂本城に辿り着けさせられるかの責任、

と、諸々、後悔や心配、責任や重圧、
といった重苦しいものがありますが、

私としては、
それらは頭にありつつも、
よかった時代の、在りし日の回想をして欲しい。

光秀と数人の配下で浪人をしていた時代、
朝倉家で客分として扱われつつも、
僅かな禄でつましく暮らしていた時期

あの頃、上を向いていた、
自分も光秀も若く、
主君光秀が、
このまま浪人で終わるはずがない、という確信を持ちながら、
信じて付き従っていたあの頃。

戦国の世ながらも、いっときの平和な時期

それが走馬灯のように駆け巡っていたのではないか、と。

それから足利義昭と出会い、
そこを軸にして信長に近づき、
そこからは怒涛の出世劇ですが、

朝倉家の時代を
懐かしんでいたのではないか。

あんまり後悔と焦燥だけで琵琶湖を渡って欲しくないんですよね。
天下の器と信じた主君が、一時でも確かに天下の器たり得たと
自分は間違っていなかった、と
胸を張って欲しい。

というわけで、
朝倉家時代に想いを馳せる。